『オレオレ詐欺』から『ワタシワタシ詐欺』へ

振り込め詐欺にも女性が台頭。警視庁犯罪抑止対策本部のTwitterに、振り込め詐欺変化の兆しを読みとる。

冬至を過ぎて2017年もあとわずか。これからは6月のピークに向けて日に日に日照時間が長くなるわけです。さて変化と言えば、振り込め詐欺にも意外な変化が始まっていて、日に日にその数は無視できないものになりつつあります。その変化とは、女性パワー。

これまでの“オレオレ詐欺”では、電話での第一声が「オレだけど・・・」でしたが、新潮流の場合、電話での第一声は「あ、ワタシだけど・・・」や「ワタシ、ワタシ」。そう、電話口の向こうにいるのは女性です。

そういえば振り込め詐欺という名称は2004年に警視庁が命名した呼び名です。そしてオレオレ詐欺が使われ始めたのも同じ頃。この時代は、ほぼすべての振り込め詐欺犯は男性だったようです。

その証拠があります。
警視庁のTwitter『警視庁犯罪抑止対策本部』の2016年10月18日のTwitterは以下です。

2016年10月18日のツイート

「女性の親族になりすました事件はほとんどありません。」としっかりと明言しています。

いわゆる”男性社会”だったオレオレ詐欺に女性が増え始めた・・・その背景にあるのは“まさか”の心理的盲点へのアプローチでしょう。

ほとんどの被害者が“まさか自分が引っかかるとは思わなかった”と言っています。内閣の世論調査でも〔自分が被害にあわないと思っている人 80.7%〕というデータが公表されています。

つまり、まさか自分が、という虚を突かれ、さらに“オレオレ詐欺”という名称の普及で“まさか女性が?”というように、二重の”まさか”によって虚を突かれ、コロリと騙されてしまうという危険性を秘めています。

この女性による娘や孫を装う詐欺は近年急増しており、先にご紹介した警視庁のTwitter『警視庁犯罪抑止対策本部』では

2017年12月25日のツイート

2017年12月25日のツイート

このように、日に日に状況が変化していることが、警視庁のTwitterを眺めているだけでも実感できます。犯行グループがここにきて「犯人は男」という先入観を逆手に、“かけ子(電話役)”に女性を利用し始めたのでしょう。

ここで、さらに意外なのは、ワタシワタシ詐欺のきざはしが足元にあった、という事実。それは山梨県で2015年11月4日に配信されたの次のニュースです。

電話詐欺、最悪ペースで増加 新手の「娘」「女性職員」に注意を(山梨/産経ニュース 2015.11.4
最近目立ってきたのが女による電話だ。「わたしだけど…」と“娘”を名乗る「わたし、わたし詐欺」や、女の声で「市役所福祉課の担当」などと騙(かた)るという。未遂も含め11件が確認された(抜粋)

山梨県でのオレオレ詐欺の被害件数が74件。電話詐欺のアポ電数(通報件数)が1795件のところ、未遂も含めたワタシワタシ詐欺が11件ということは、この時点ではまだ約0.6%だったということになります。微々たる数ですが、予兆はあったということでしょう。

そして今、新たな手口として、オレオレ詐欺からワタシワタシ詐欺へと顔を変えつつあるのでしょうか。「自分は大丈夫」、そして「犯人は男」という先入観を逆手にとって、女性からの詐欺電話が急増するのも時間の問題かもしれません。

相手が息子でも娘でも、とにかく電話口でお金の話が出たら、まずは深呼吸。あわてずに息子さんや娘さんのケータイ番号を確認して、念のため電話して確かめることが重要です。犯人は、考えさせない、確かめさせないよう、ケータイを変えたなど、あの手この手の嘘をついてきますので、くれぐれもご用心を。

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