振り込んだお金が戻ってくる? 振り込め詐欺にあったら取るべき対処法

law振り込め詐欺の危険性については、頻繁にあらゆるメディアなどで警鐘を鳴らされています。しかし、それでもなおなくならないのは、やはりそれだけだまされる人が数多くおり、被害に至っているからに過ぎません。そのため、注意も重要ですが、合わせて万が一被害を受けてしまった際の対処法も覚えておくことが欠かせません。振り込め詐欺にあったら、どういった手順を踏めば良いのでしょうか。基本的な例をご紹介します。

 

振り込め詐欺にあったらどのように対処する?

まずは他の犯罪被害を受けたケースなどと同様に、警察に被害届を出すのが対処の第一歩です。詐欺にあったのかどうかあいまいな状況である、被害額が少ないといった場合でも、問題ありません。警察は、一般市民の味方です。まずは一度、気兼ねなく相談してみてください。

このとき必要となってくるのが、振り込め詐欺にあったという証拠です。警察に被害を証明するため、また訴訟などで有利に働くよう、少しでも怪しい状況に巻き込まれたら、それらを証明するものを保管するよう心がけましょう。主な例としては、犯人の氏名と住所といった個人情報、契約書、証拠品、電子メールやSNSなどやりとりの記録、だまされるまでの過程の解説メモ等、写真、振込証明書、録音、またその他、用意できるようであれば第3者の証言もあるとより効果的です。

 

被害届を出したら「振り込め詐欺救済法」の手続きをおこなう

振り込め詐欺が続発する現状に伴い、振り込め詐欺救済法なる専門的な法律も登場しています。これは平成20年6月21日に施行された法律で、まさしく振り込め詐欺被害者のために定められた内容となっています。具体的には、振り込め詐欺の振り込み先になった預金口座に被害総額が滞留されている場合、全額を返還してもらえる法律です。ただ、正しい手続きや条件への合致があってこその適用であるため、詳細を理解しておくことが欠かせません。

1.被害者および警察が犯罪に関与している口座の取引停止を金融機関に依頼

まずは、犯行に使われた銀行口座における手続きから開始します。取引停止を、依頼しましょう。個人でもおこなえますが、警察に任せることも可能です。この作業ができていなければ、またさらなる犯罪も発生しかねません。

2.金融機関は預金保険機構に失権(口座が取引停止となったこと)を周知(公告)するように要請

振り込め詐欺救済法においては、預金保険機構との連携が重要となってきます。最初に、口座取引を停止したことを周知するよう要請します。預金保険機構は公式のホームページを運営しているため、各情報の多くはウェブ上から確認することが可能です。

3.預金保険機構は失権のための公告を展開

次に預金保険機構では、失権にあたっての広告を展開します。主には、犯罪利用口座をホームページ上で周知する形です。とはいえ、まだこの段階でお金が戻ってくるわけでもありません。ひとまず、お金を取り戻すための準備が完了した段階といえるでしょう。

4.一定期間(60日間以上)の経過を待つ

広告展開が完了したら、60日以上の経過を待ちます。これは、犯罪利用口座残高に対する名義人の権利を失わせるためです。この期間において、失権手続きがおこなわれます。また失権後に関しても、次は被害者への被害金支払い手続きをおこなわなくてはなりません。これにも30日以上を要します。そのため、結果的に少なくとも90日以上経たなければ支払い手続きには至れないと考えておいてください。

5.金融機関が預金保険機構に分配支払金を被害者に支払うための公告を要請

その次に、金融機関側が預金保険機構に要請をおこないます。ここでは、分配支払金を返却するための公告が求められる形となります。これについては、被害者個人での作業は基本的にありません。

6.預金保険機構は分配支払金を被害者に支払うための公告を実施

続いて、預金保険機構は公告要請に従って公告を実施します。このときも、預金保険機構のホームページから公告内容が確認できます。確認が完了したら、金融機関へ出向しましょう。

7.金融機関より被害者へ分配金の支払い

最後に、金融機関から実際に分配金を受け取って作業完了です。

 

振り込め詐欺救済法を活用する際の注意点

上記手続きをおこなう上でポイントとなるのが、お金を入金してしまったあと速やかに手続きを始めることです。なぜなら、犯人の持つ口座内に現金が残っている状態でなければ、適用されないためです。犯人がお金を引き出したら適用されないので、速やかに対処しましょう。

 

詐欺罪を刑事告訴する場合に必要なこと

お金を取り戻せたとしても、まだ犯人は野放しのままです。詐欺罪で刑事告訴する流れについても、知っておきましょう。主には、欺罔、錯誤、交付行為、財産転移のいずれかを証明する必要があるため、やはり証拠の保管が欠かせません。立証は決して簡単でないため、十分過ぎるほどの準備が大切です。また、立証できたとしても加害者に支払い能力がなければお金は戻ってきません。やはり、犯行に使われた口座に現金が残っている段階で、速やかに振り込め詐欺救済法を適用することがポイントとなってきます。

 

振り込め詐欺にあったからといって、諦める必要はありません。適切な対策をおこなうことにより、全額取り戻せる場合もあります。ですが、所定の手続きや一定の条件をクリアしなければいけないため、決して簡単でもありません。正しい知識のもと、落ち着いて対応することが重要といえるでしょう。