地元を離れたくない一人暮らしの親……遠距離介護のメリットと懸念点

自立心の強い高齢者であっても、やはり年齢を重ねれば介護が必要になってきます。そんなとき、どこまで遠距離介護に向き合えるかが重要となってきます。離れていてもなお適切なサポートができる、そんな関係性が理想でしょう。ですが、遠距離介護にはメリットと懸念点の両面があります。特徴をしっかり押さえた上でおこなうことが、大切です。

 

遠距離介護のメリット

遠距離介護とは、つまり離れた場所同士で別居している家族と高齢者間でおこなわれる介護です。遠距離だからこそのメリットに、注目してみましょう。

親子ともに住み慣れた土地で過ごせる

別の家で暮らしているからには、それぞれが環境を気に入っていることでしょう。ですが同居してしまうと、一方が住み慣れた地域を離れなくてはいけません。遠距離であれば、それぞれが慣れた環境で暮らし続けられます。

介護に時間をかけすぎずにすむ

同居すると、四六時中介護に意識を回さなければいけません。より密なケアができる一方、家族としての時間は削られてしまうでしょう。遠距離なら、その心配がありません。

親の「子供に迷惑をかけている」というストレスを避けられる

四六時中気を遣われるというのは、高齢者側からしても負担になりがちです。子供に迷惑をかけているような気持ちになると、ストレスにも繋がるかもしれません。遠距離なら、その点気楽に感じられます。

 

遠距離介護の懸念点

遠距離介護はお互いが遠く離れているだけに、ケアが行き届かないというのは大きなデメリットでしょう。主に、次のようなケースがあります。これらを踏まえた上で、遠距離介護は検討するべきです。

自宅で事故にあってもすぐにわからない

高齢者になると、体力や注意力の低下から、何かと事故の危険も高まります。同居であれば逐一対応できますが、遠距離で別居している場合はその事実に気づくことすら難しいです。

介護サービスなどの費用がかかる

介護に注力していても、遠距離ではできることが限られてきます。そのため、身の回りの世話や定期的な見守りをする上で、介護サービスも必要となってきます。ですがこの場合、利用料もかかってくるため、金銭的な負担が伴うことも理解しておくべきです。

コミュニケーション不足になりがち

定期的に帰省していても、その間はコミュニケーションがあまりできません。この場合、人間関係や認知症の悪化に繋がることも考えられます。電話やメールを頻繁にしていたとしても、懸念がもたれることに変わりはありません。

振り込め詐欺などにあう危険性がある

近年は、一人暮らしの高齢者を狙った振り込め詐欺が増えています。同居していれば家族が未然に防げますが、遠距離で一人暮らししている場合は格好のターゲットとなってしまうでしょう。今の時代だからこそ、特に懸念しておくべきポイントです。

 

遠距離介護をする際にすべきこと

遠距離のデメリットが分かっていても、どうしても同居が難しい場合もあることでしょう。そんなときは、以下の注意点を押さえて、より安心感のある遠距離介護に繋げましょう。

親の財産を把握する

財産の額、そしてそれらを管理するための通帳や印鑑の場所を把握しておきましょう。万が一のトラブルに遭った際、被害状況をいち早く確認して対策できます。また大病にかかったとき、治療費などを用意する上でもスムーズです。

周囲の人と連絡をとる

高齢者住まいの近隣の人とも、コミュニケーションをとっておきましょう。こうすることで、万が一の事態に協力を仰ぐことが可能になります。また、普段の生活状況をチェックする上でも有効です。

かかりつけ医の連絡先を把握しておく

急に容態が変化した場合、病院を訪れる間もなく危険な状況に陥ってしまうかもしれません。スムーズにかかりつけ医へ連絡がとれれば、早急な対処が期待できます。応急処置の仕方を仰ぐ上でも助かります。

積極的にコミュニケーションをとる

前述の通りコミュニケーションが希薄になると、詐欺などの被害に遭いやすくなる、認知症が進行しやすくなるなどの懸念が伴います。遠距離とはいえ、積極的にコミュニケーションをとってそうしたケースを防ぎましょう。

介護サービスを利用する

一口に介護サービスといっても、その種類はさまざまです。ホームヘルパーによる居宅サービスなら、じかに接してサポートしてもらえます。地域のボランティア団体を利用したものなら、高齢者個人の世話だけでなく、高齢者同士の輪を作る上でも有効です。また一人暮らしを希望している場合は、状況に応じて施設への短期入所サービスを利用するというのもおすすめです。体調や精神面の状態に合わせて、集中的な介護を受けることで、状況の改善に繋げられるでしょう。

認知症対策や振り込め詐欺対策

認知症と振り込め詐欺は、高齢者が一人暮らしする上で特に気をつけるべき点でしょう。そのため、しっかり対策しておくことが大切です。特に、一人でも利用できる対策グッズがおすすめです。たとえば、認知症予防に役立つツボ押しやパズル、知恵の輪などのグッズ、また振り込め詐欺への注意喚起を促す資料やアイテムなどです。プレゼントをするという行為自体もまた有効なコミュニケーションになるので、実践して損はないでしょう。

 

 

遠距離介護だからといって、デメリットばかりというわけでもありません。離れて暮らすからこそのメリットもあるため、注意点を押さえて役立てる価値も大いにあります。上記を参考にして、安心感のある遠距離介護を実現してみてはいかがでしょうか。

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