あなたの名前でカードを作らせて! 名義貸し詐欺の手口と対策

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高齢者を狙った詐欺には、複雑で分かりにくい法律を悪用したようなものも少なくありません。名義貸し詐欺は、中でも特に見抜くことが難しい犯罪といえるでしょう。巻き込まれてしまった場合、大きな被害に至る可能性も高いです。どういったケースに注意すれば良いのか、また実際巻き込まれたらどうすべきなのかなど、詳しくまとめました。

 

名義貸し詐欺とは?

名義貸しとは、自分の名義を相手に貸すことをいいます。お金や高級品を手渡すのではなく、ただ名義を貸すだけなので、特に抵抗は感じないかもしれません。名目としては、老人ホームをはじめとした福祉施設の利用権利や、震災復興再建の社債購入、また証券の購入などで、「一時的に貸してもらえなければ困る」といった風に感情に訴えかけてきます。高齢者は、金銭的な貸し借りでなく、また人助けになるといった状況から、つい良心で許可してしまうといったケースが少なくないのです。

 

ですが、後日また別の人物からコンタクトがあります。その人物は弁護士や警察を名乗り、「名義貸しは犯罪だ」「裁判を避けるにはお金が必要になる」などと言ってきます。そして最後には、振込みや郵送などで現金を持っていかれるといった展開です。確かに名義貸しは犯罪ですが、最初の名義貸し依頼者もグルであるため、複数人が入れ替わりながらおこなう、巧妙な詐欺犯罪に他なりません。

 

名義貸し詐欺の手口

上記も名義貸し詐欺の代表例ですが、他にもさまざまな巧妙な切り口がみられます。どういった手口があるのか、ある程度理解しておきましょう。それにより、詐欺被害を回避することも可能になります。

 

携帯電話契約型

携帯電話契約には、個人情報が欠かせません。この名義貸し詐欺では、そんな携帯電話契約の名義人を依頼されます。多くの場合謝礼も用意されているので、一見魅力的な副収入源にも思えるかもしれません。ですが、契約後の携帯電話やスマホは、そのまま使われることなく違法な転売業者で換金されるのが定番の手口となっています。このまま支払いが滞り、さらに犯罪に悪用までされてしまえば、請求や捜査の対象となるのは名義本人に他なりません。その犯罪にかかわっていなくても、名義貸しによって逮捕される可能性もあるので、何とも恐ろしいです。

 

銀行口座開設型

銀行口座は無料で作れるため、携帯電話以上に警戒しにくいケースかもしれません。ですが、こちらもまた名義貸し詐欺によくみられる手口となっています。なぜなら、銀行口座そのものが違法な世界で売買されているためです。そして最終的に、振り込め詐欺などの入金口座とされてしまい、同様に犯罪に加担する形となってしまいます。場合によっては、名義貸しだけでなく犯罪幇助の罪にまで問われることもあるようです。

 

クレジットカード使用型

クレジットカードは、ブラックリストに載っている人物は作ることができません。そのため、名義貸し詐欺が特に多くみられます。謝礼金を払うので変わりに作って欲しい、または限度額いっぱいまで指定の商品を購入して欲しい、そんな文句で依頼してきます。クレジットカードの請求はもちろん名義本人にいくため、とても危険です。また、そもそも謝礼金自体支払われないケースも少なくありません。名義貸しを依頼された時点で、怪しむことを忘れないでください。

 

消費者金融利用型

こちらは結構ストレートな詐欺といえるでしょう。お金を直接手に入れられる、消費者金融の名義人になって欲しいと依頼されるものです。代理でお金を借りてきて、一旦こちらに預けてくれ、そんな風に言われます。こちらも謝礼金を支払うという名目で近づいてこられますが、結局もらえない場合の方が多いです。さらには、代理で返すといっていた返済がおこなわれておらず、名義人である高齢者側に返済請求がくるといった流れが一般的です。被害金額が高額になりやすい、特に気をつけるべき名義貸し詐欺でしょう。

 

名義貸しは違法である

名義貸しと聞くと、「名義を貸すだけ」の単純な行為であるため、そこまで重大に感じにくいかもしれません。ですが、作業の単純さとは裏腹に、法的な重要度はとても大きいです。なぜなら、刑法第246条の詐欺罪にあたる立派な犯罪であるためです。名義を偽るというおこないが、法を犯すことに繋がってしまっているのです。逮捕されれば、「6月以下の懲役または100万円以下の罰金」に繋がる可能性もあります。謝礼金に目がくらんでも、絶対に手を出すべきではありません。

 

名義貸し詐欺対策

あらゆる詐欺がありますが、中でもこの名義貸しはシンプルです。そして、だからこそ警戒がしにくいとも言い換えられるでしょう。そのため、有効な対策としてはとにかく上記のような手口があると把握しておくことが大切です。甘い話にはかならず裏がある、そしてこれらは人ごとではなく、いつ自分の身に起こるか分からないということをしっかり理解しておきましょう。高齢者本人はもちろん、家族もまたそうした意識をもっておくことが欠かせません。

 

名義貸し詐欺に遭ってしまったら…

実際に名義貸し詐欺に遭ったら、どのようにすれば良いのでしょうか。以下の選択肢を覚えておきましょう。場合によっては、被害額が取り戻せるかもしれません。

 

求償権の使用

これは、名義貸し詐欺犯の居場所が分かっている場合に、被害に遭った高齢者が支払った借金返済やクレジット利用の金額を、犯人に立替請求できるという権利です。とはいえ、犯人の居場所が特定できるケースはそう多くありません。また、高齢者が返済してしまった額のみを取り戻す形となるため、未返済分については当てはまりません。そこまで効果的ではありませんが、状況に応じて役立てられる権利と考えておいてください。

 

警察へ連絡

名義貸し詐欺という犯罪に遭った以上、まず思い浮かぶのは警察への相談でしょう。ですが、こと名義貸し詐欺に関してはおすすめできません。なぜなら、前述の通り名義貸し自体も犯罪であるためです。つまり、名義貸しをした側の高齢者も罪に問われる可能性が出てくるのです。

 

弁護士へ連絡

上記2つがあまり有効でないため、名義貸し詐欺に遭ったときの相談先は、弁護士であると考えておきましょう。最終的に警察へ相談しにいくことになっても、弁護士が一緒であれば比較的安心です。詐欺であると知らずに名義貸しした場合は、弁護士がしっかり説明することで、多くの場合は実刑判決になりません。高齢者詐欺や名義貸し詐欺事例に強い弁護士を見つけて、詳しく話を聞いてもらってください。

 

 

名義貸し詐欺は、名義を貸すだけという比較的シンプルな詐欺です。ですが、知らないうちに大きな被害に遭ってしまう、犯罪に加担してしまうといった、多大なリスクが伴います。上記を参考に、まず巻き込まれないよう注意しておくことが欠かせません。

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