振り込め詐欺の被害にあった高齢者の様子が…高齢者のうつ病を見分ける方法


振り込め詐欺は、詐欺による金銭的な被害だけが負担というわけでもありません。場合によっては、その後長きに渡って高齢者を悩ませることにも繋がります。ひどい場合では、うつ病を発症してしまうケースすらあるようです。ですが、うつ病は目にみえない病気であるため、なかなか周囲が察しにくいのも実際のところです。その兆候や特徴を知って、適切に対処できるよう心がけましょう。

 

振り込め詐欺の被害状況

振り込め詐欺被害の拡大に伴い、注意喚起が広くおこなわれています。チラシやメディアにおける特集、また町内放送など、あらゆる面で危機意識の高まりを感じることができるでしょう。ですが、それでもなお一向に減らないのが実情です。

 

たとえば、本年平成30年と前年29年における1月度のデータを見比べてみると分かりやすいでしょう。本年1月度の認知件数が約980件であるのに対し、前年は約900件。減るどころか、むしろ増えているのが現状なのです。また被害額に関しては、平成30年1月は約21億円、29年は約22億円。やや減少してはいますが、やはり大きな被害が継続されていることに変わりはありません。危機意識が広く重要視されている時代とはいえ、まだまだ軽視することはできないのが現状のようです。

 

振り込め詐欺被害者がうつ病になるケースもある

上記のデータを見ると、突出した被害額が印象的かと思われます。単月の被害額が20億円というのは、多くの人にとって目を疑う状況でしょう。ですが、気にしておくべきはお金ばかりでもありません。被害に遭った高齢者の心についても、しっかり寄り添って考えてあげることが大切です。放置してしまうと、それこそうつ病に陥る危険性すら伴います。

 

たとえば事件が解決できないケース。高額被害ならまだしも、10万円や20万円といった被害の場合、中途半端な金額がゆえに届出を出さず泣き寝入りする高齢者も多いようです。ですが、額が少額といっても、騙されてしまったことに変わりはありません。そのため、「忘れたい」「悔しい」「恥ずかしい」といった気持ちから、どんどん精神を自ら追い詰めてしまうのです。

 

また、仲間であるはずの家族が不意に責めてしまうケースにも注意が必要です。不用意な行動を責めたり、プライドをないがしろにしたりすることで、より大きなショックを与えてしまうでしょう。表面上は気丈に振舞っていたとしても、実際の負担は計り知れません。うつ病どころか、最悪自殺してしまうパターンもあるのだそうです。ちょっとした気持ちの問題程度に感じられていても、絶対に軽視してはいけません。

 

高齢者のうつ病の兆候

うつ病の症状は、心の問題であるため目に見えないという特徴が伴います。ですが、以下のような兆候を察することで、ある程度チェックできます。

 

食欲がない

気分が沈んでいるときには、何かと食欲が出ないものです。もし振り込め詐欺被害以降、急激に食べる量が落ちているように感じられたら、うつ病を疑ってください。栄養摂取の観点からも危険であるため、しっかりフォローすべきです。

 

好きなテレビを観ない

うつ病になると、楽しいことへの興味も薄れてきます。普段好んで見ていたテレビを急に見なくなった、そんな状況もうつ病であるかどうかの指標になるでしょう。

 

出かけたがらない

高齢者にとって、外出は結構な重労働です。とはいえ、外の空気を吸ったり、体を動かしたりする行為は心地良く感じられ、いい気分転換にもなるもの。気分が良いときには、進んで外出を楽しむことでしょう。ですが、そんな外出をしたがらないとなれば、やはり心に何らかの問題があることも考えられます。念のため、うつ病の可能性を疑いましょう。

 

笑顔がない

心からの笑顔というのは、楽しい気持ちでなければなかなか浮かべられないものです。振り込め詐欺被害によって心に傷を負っているのであれば、そんな笑顔が減ってしまうことも大いに考えられます。表情の変化も、気にかけておきましょう。

 

あまりしゃべらない

会話が減っているように感じられたときも、心の変化を気にするべきです。会話を楽しむ余裕がなくなるほどの悩みを抱えている可能性があるためです。被害前までは進んで話すタイプであったともなれば、なお深刻な事態かもしれません。

 

突然泣く

何のきっかけもなく突然泣き出すというのは、うつ病患者の代表的な兆候のひとつです。被害の記憶がよみがえり、心に負担を覚えているのでしょう。やさしくフォローをしてあげなくてはなりません。

 

便秘がち

意外かもしれませんが、便秘もまたうつ病と深いかかわりがあります。なぜなら、脳と腸が密接な関係性にあるためです。精神状態が好ましくないと、腸の働きが正常でなくなるため、便秘がちとなってしまいます。さりげなくチェックしてみてください。

 

高齢者のうつ病対策

高齢者のうつ病は、どのようにして対策すれば良いのでしょうか。心の問題なので、結局は高齢者本人の努力も大切になってきますが、身近な家族にもできることがあります。以下を意識してみてください。

 

栄養のある食事

食事における栄養バランスを意識してみてください。十分な栄養摂取は、脳の状態を安定させることに繋げられます。また彩りある食事を用意することで、食欲を高める意味でも有効でしょう。

 

積極的なコミュニケーション

本人が気丈に振舞っていたとしても、意識的にコミュニケーションをとってください。不安や孤独をフォローする上で、有効な心がけとなることでしょう。

 

病院に通う

気持ち的な問題とはいえ、結局はうつも病気症状のひとつです。そのため、家庭で工夫したところでどうしても改善が見込めないといった場合には、専門医を頼るのも効果的でしょう。精神科、さらには高齢者診療に特化した病院なら、より安心です。

 

 

振り込め詐欺においては、被害に遭った高齢者の心のサポートも重要です。うつ病を発症し、場合によっては自殺に至ってしまうケースもあるようです。上記を参考にして、振り込め詐欺被害にあった高齢者を効果的にケアできるよう心がけてください。

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