サブちゃん、あわや日本初のオレオレ詐欺被害者に

昨年2016年1月のこと。
正月気分抜けきらぬ巷に『北島ファミリー装い出世払い詐欺。“自称”演歌歌手逮捕』というニュースが躍った。

なんでも演歌歌手・南部忠と名乗った男は、東京都江戸川区の公園で女性(86)に「持ち歌の『家族』が売れたら必ず返すので、お金を貸してほしい」と声をかけたのだという。
その際に自身のCDやポスターを見せ「北島三郎先生とも知り合いで、先生の下で活動している」「これからテレビにも出演する予定」などと虚偽の説明をして信じ込ませていた。
ポスターでは白のスーツ姿で、演歌歌手の大川栄策と並んだような合成を施していたという。

男の逮捕容疑は女性から現金約40万円をだまし取ったためとしているが、何度も返済の催促をしても返さないため、不審に思った女性が近所に住む長男に相談して詐欺被害に気づいたようだ。その被害金額は約300万円に達するというから驚く。なぜ見抜けないのかと人は思うけれど、その言葉巧みさと、小道具による仮想世界に入ってしまうと、なかなかそれが詐欺だとは気づけないのが実情のようだ。事実、被害者のほとんどは日ごろから自分は大丈夫と自信を持っている人だというから意外に感じる。自分もいつ被害にあうかわからない、という気持ちでいろいろな用心を心がけることが肝要なのだろう。

さて、事件の被害者は自分を騙られたサブちゃんこと北島三郎さんも同様だろう。芸能は一種のイメージ商売でもあるだけに一歩間違えばどうなるか想像もできない。だからこそ北島三郎さんの事務所ではホームページに詐欺への注意を掲載している。

ところで北島三郎さんは、2007年3月1日の「ダウンタウンDX」で、すでに35年前にオレオレ詐欺に遭っていたということを明かした。オレオレ詐欺がまだなかった当時において、もしかしたら日本初のオレオレ詐欺だったかもしれない。

35年前、北島三郎さんが帰宅すると、自宅にパトカーが3台停まっていたという。何事かと家に入ると妻に「大丈夫だったの?」と聞かれた。
実はこの数時間前のこと。奥さんが電話に出ると「オレだ。今、さらわれて大変なことになっている。助かるために500万必要なんだ。用意してくれ」と言われ、夫の北島三郎さんだと信じ込んでしまったのだった。

動揺してすぐさま事務所に電話し事情を説明し、警察を呼ぶことになったのだった。ちょうどそこに北島三郎さんが帰宅したというわけである。

「あなた大丈夫だったの?」

誘拐されているはずの夫が何事もなく帰宅したので妻は驚いた。
もちろん北島三郎さんも何が何だかわからない。警察の前で次第に事情が判明し、自分を騙ったオレオレ詐欺だということがわかり、間一髪で被害を免れたのだった。これで被害に遭っていれば、おそらく日本でのオレオレ詐欺被害第一号だったと言われている。

それから35年以上たった今。オレオレ詐欺の被害件数は年間なんと2万件にもなろうとしている。誰が被害者になってもおかしくない昨今、対策はしっかりとしておきたいものですね。

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